デジタルアート初心者向け:写真や画像を取り込んで絵を描こう
デジタルアートに興味をお持ちの皆さん、こんにちは。
ゼロから絵を描くのは少し難しそうだと感じている方もいらっしゃるかもしれません。そんなとき、すでに持っている写真や画像をデジタルアートソフトに取り込んで、絵を描くためのヒントにしたり、下絵として利用したりする方法があります。
この方法を使えば、写真を見ながら描く練習をしたり、苦手な背景を写真から取り込んだりすることが手軽にできるようになります。今回は、デジタルアート初心者の方に向けて、写真や画像を取り込んで絵を描くための基本的な手順をご紹介します。
なぜ写真や画像を取り込むと便利なの?
デジタルアートソフトに写真や画像を取り込むことには、いくつかのメリットがあります。
- トレースして線の練習ができる: 写真の線や形をなぞる(トレース)ことで、デジタルで線を引く練習になります。
- 背景や小物の参考にできる: 描きたい絵の中に、写真の風景や建物を参考にしたり、そのまま取り込んで利用したりできます。
- 絵を描くハードルが下がる: 真っ白なキャンバスにゼロから描くのが不安な場合でも、下絵となる写真があれば取り組みやすくなります。
特に絵を描き始めたばかりの頃は、物体の形を捉えたり、バランス良く配置したりするのが難しいことがあります。写真を利用することは、描画スキルを磨くための一つの有効な方法と言えるでしょう。
写真や画像を準備する
まず、デジタルアートソフトに取り込みたい写真や画像を用意します。
- 自分で撮影した写真: スマートフォンやデジタルカメラで撮った写真を使うのが一番手軽です。
- フリー素材サイトの画像: 著作権を気にせず使える、無料配布されているイラストや写真素材を利用することもできます。
インターネット上の画像を無断で利用することは、著作権の問題になる可能性がありますので注意が必要です。必ず自分で撮影した写真か、商用利用や加工が許可されているフリー素材などを使用してください。
準備した写真や画像データは、パソコンやタブレットでデジタルアートソフトからアクセスできる場所に保存しておきましょう。スマートフォンの写真であれば、USBケーブルで接続したり、クラウドストレージサービス(Google Drive、Dropboxなど)を利用したりしてパソコンに移動させるのが一般的な方法です。ファイル形式はJPEGやPNGなどがよく使われます。これらのファイル形式については、別の記事でも詳しく解説しています。
デジタルアートソフトに写真や画像を取り込む方法
多くのデジタルアートソフトで、写真や画像をキャンバスに読み込む方法はいくつかあります。
- メニューから読み込む: ソフトのメニューにある「ファイル」や「開く」「読み込み」「配置」といった項目から、用意した写真ファイルを選択してキャンバスに表示させる方法です。ソフトによってメニューの名称は異なりますが、大体「ファイル」の中にあります。
- ドラッグ&ドロップ: パソコンのフォルダから、読み込みたい写真ファイルを直接デジタルアートソフトのキャンバスにドラッグして持ってくる方法です。対応しているソフトであれば、これが最も簡単な方法かもしれません。
写真がキャンバスに表示されたら、サイズや位置を調整して、描きたい絵のイメージに合わせて配置します。
写真を下絵として使う具体的な手順
写真や画像を単に表示させるだけでなく、絵を描くための下絵として活用するには、レイヤー機能を使うのが一般的です。レイヤーについては別の記事で詳しく解説していますが、ここでは「透明なシートを重ねる」イメージで理解していただければ大丈夫です。
- 新規キャンバスを作成する: まず、絵を描くための新しいキャンバスを用意します。
- 写真・画像データを読み込む: 先ほどの手順で、準備した写真や画像ファイルをキャンバスに読み込みます。この写真が「写真レイヤー」となります。
- 写真レイヤーを下にする: ソフトのレイヤー表示画面で、写真レイヤーが一番下になるように並べ替えます。
- 新しいレイヤーを作成する: 写真レイヤーの上に、線を描くための新しい透明なレイヤーを一枚作成します。これが「描画レイヤー」となります。
- 写真レイヤーの不透明度を下げる: 下絵として見やすくするために、写真レイヤーの「不透明度」を下げて、写真を薄く表示させます。不透明度を調整するスライダーや設定項目がレイヤーの近くにあるはずです。例えば50%程度にすると、写真が薄くなり、その上に描く線が見やすくなります。
- 写真レイヤーをロックする(任意): 下絵として使う写真レイヤーを、間違って編集したり動かしたりしないようにロックしておくと安心です。レイヤーの横に鍵のマークのようなアイコンがあれば、それがロック機能です。
- 描画レイヤーを選択して描く: 上に作った「描画レイヤー」を選択した状態で、ブラシツールなどを使って写真の線や形をなぞったり(トレース)、参考にしながら自由に絵を描いていきましょう。
この方法を使えば、下絵の写真を見ながら、自分のペースで描画の練習を進めることができます。写真レイヤーはあくまで下絵なので、絵が完成したら非表示にしたり削除したりすれば、描画レイヤーに描いた絵だけが残ります。
写真を参考に横に並べて描く方法
下絵として使うだけでなく、写真自体をキャンバスの横に表示させて、それを見ながら描くという方法もあります。
多くのソフトには、参照ウィンドウやサブビューといった機能があり、別のウィンドウに参考画像を常に表示させておくことができます。もしそのような機能がない場合でも、キャンバスサイズの横幅を広く取って、片側に写真画像を読み込み、もう片方の空白部分に絵を描くというやり方も可能です。
この方法は、トレースするのではなく、写真を見て形や色を観察しながら自分で描く練習をする場合に適しています。
まとめ
デジタルアートで写真や画像を取り込む方法は、初心者の方にとって、絵を描くことへのハードルを下げ、様々な表現に挑戦するための有効な手段です。
自分で撮った思い出の写真や、素敵なフリー素材などを活用して、デジタルアートの世界をさらに楽しんでみてください。まずは簡単な写真から取り組んでみるのがおすすめです。
もし操作方法で分からないことがあれば、お使いのソフトのヘルプや公式情報を参考にしてみてください。この情報が、あなたのデジタルアート制作の一助となれば幸いです。