デジタルアート初心者向け:最初に揃えたい機材とソフトの選び方
デジタルアートを始めてみたいけれど、何から揃えれば良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。紙とペンがあれば始められるアナログのお絵かきとは異なり、デジタルアートにはいくつかの専用の機材やソフトが必要です。
この記事では、これからデジタルアートの世界へ踏み出そうとしている初心者の方に向けて、必要になるものとその選び方、費用の目安について分かりやすくご紹介します。
デジタルアートを始めるために必要なもの
デジタルアートを始めるために最低限必要となるものは、大きく分けて「機材」と「ソフト」の二つです。
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機材(ハードウェア)
- 絵を描くためのパソコンまたはタブレット
- 手描きのように描くためのペンタブレットまたは液晶タブレット
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ソフト(ソフトウェア)
- 絵を描くためのお絵かきソフト(アプリ)
これらが揃えば、デジタル環境でお絵かきを始める準備が整います。
機材の選び方
まずは絵を描くための機材について見ていきましょう。
パソコンまたはタブレット
デジタルアートの基盤となるのが、絵を描画・編集するためのコンピューターです。主に以下の選択肢があります。
- パソコン(デスクトップまたはノートPC)
- 多くの高性能なお絵かきソフトが利用できます。
- 大画面で作業しやすいメリットがあります。
- すでに持っている場合は、それを活用できます。
- タブレット(iPadなど)
- 持ち運びがしやすく、場所を選ばずに描けます。
- パソコンよりも直感的な操作が可能な場合があります。
- パソコンが必要な場合もあります(タブレット単体では動作しないソフトもあるため)。
これから購入する場合、予算やどのように絵を描きたいか(自宅でじっくり描きたいか、カフェなど外でも描きたいか)を考慮して選ぶと良いでしょう。高性能であるほど快適に作業できますが、初心者のうちはエントリーモデルからでも十分に始められます。
ペンタブレットまたは液晶タブレット
デジタルで絵を描くためには、マウスではなく、より直感的に線の強弱などを表現できるペンデバイスが必要です。このペンを使うための入力機器として、主に以下の二種類があります。
- ペンタブレット(板タブ)
- 板状のタブレットの上を専用のペンでなぞると、画面上のカーソルが動いて描画される仕組みです。
- 手元を見ながら描くアナログの感覚とは少し異なります。
- 比較的安価な製品が多いです。
- 場所を取らず、持ち運びやすいタイプもあります。
- 液晶タブレット(液タブ)
- 画面に直接絵を描くことができる仕組みです。
- 紙に描くような感覚に近く、直感的に描けます。
- ペンタブレットに比べて高価な製品が多いです。
- ある程度の設置スペースが必要です。
どちらを選ぶかは、予算と描き心地の好みが大きなポイントになります。最初はペンタブレットから始めて、慣れてきたら液晶タブレットに移行するという方も多くいらっしゃいます。最近では、高性能なタブレット(iPad Proなど)と専用ペン(Apple Pencilなど)の組み合わせで液晶タブレットのように使う方法も人気があります。
ソフト(アプリ)の選び方
絵を描くために必須となるのが、デジタルのお絵かきソフトです。様々な種類があり、それぞれ特徴や使える機能が異なります。
- 無料ソフト
- Procreate (iPad用)、 ibisPaint (スマートフォン・タブレット用), Krita (Windows/Mac/Linux用) など
- 機能は限定的な場合もありますが、初心者が必要とする基本的な機能は揃っていることが多いです。
- 気軽に始められるのが最大のメリットです。
- 有料ソフト
- CLIP STUDIO PAINT (Windows/Mac/iPad/iPhone/Android用), Photoshop (Windows/Mac/iPad用), SAI (Windows用) など
- 多機能で、プロの現場でも使われることが多いです。
- 買い切り型や月額(年額)課金型など、支払い方法も様々です。
初心者の方は、まずは無料ソフトでデジタルツールの操作に慣れてみるのがおすすめです。ある程度慣れて、もっと高度な機能を使いたい、表現の幅を広げたいと感じたら、有料ソフトを検討すると良いでしょう。多くの有料ソフトには無料体験版が用意されているので、いくつか試してみて自分に合ったものを見つけるのも良い方法です。
費用はどれくらいかかる?
デジタルアートを始めるための費用は、選ぶ機材やソフトによって大きく変わります。
- パソコンやタブレット:
- すでに持っている場合は追加費用はかかりません。
- 新しく購入する場合、パソコンなら数万円から数十万円以上、高性能なタブレットも数万円から十数万円程度が目安となります。
- ペンタブレットまたは液晶タブレット:
- ペンタブレットは数千円から2万円程度のエントリーモデルからあります。
- 液晶タブレットは2万円程度から、本格的なものだと10万円を超える製品もあります。
- お絵かきソフト:
- 無料ソフトなら費用はかかりません。
- 有料ソフトは、買い切り型で数千円から2万円程度、月額課金型で数百円から数千円程度のものが多いです。
全てを新しく揃えるとなると、安く抑えても数万円、性能の良いものを揃えようとすると10万円以上かかることもあります。しかし、手持ちのパソコンやタブレットを活用したり、まずは安価なペンタブレットと無料ソフトから始めてみたりすれば、初期費用を抑えてスタートすることも十分に可能です。
まとめ:最初の一歩を踏み出しましょう
デジタルアートを始めるために必要な機材とソフトについてご紹介しました。何が必要か、どんな選択肢があるのか、そして費用がどれくらいかかるのか、少しイメージできたでしょうか。
最初から全てを完璧に揃えようとすると、費用もかさみますし、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません。大切なのは、まずは「始めてみる」ことです。手頃な機材や無料ソフトからでも、デジタルでお絵かきを楽しむことは十分に可能です。
もし、この記事を読んで「これなら自分にもできそうだ」と感じたら、ぜひ最初の一歩を踏み出してみてください。デジタルアートの世界は、新しい表現の可能性に満ちています。分からないことがあれば、一つずつ調べて解決していけば大丈夫です。応援しています。