デジタルアートで絵を描く!どんな描き方があるの?
これからデジタルアートを始めてみたいと考えている方のなかには、「デジタルで絵を描く」と聞いても、具体的にどんな絵が描けるのか、どんな表現方法があるのかイメージが湧かないという方もいらっしゃるかもしれません。
デジタルアートと一口に言っても、その表現方法は多岐にわたります。どのような絵を描きたいかによって、必要なツールやソフト、そして学び方が少しずつ変わってきます。
ここでは、デジタルアートの代表的な描き方(表現方法)をいくつかご紹介し、それぞれの特徴や、初心者の方が始める際のポイントについてお伝えします。
デジタルアートの主な描き方(表現方法)
デジタルツールを使って描かれる絵は、様々なスタイルやジャンルに分類されます。ここでは、特に一般的なものをいくつか見ていきましょう。
1. イラストレーション
おそらく、デジタルアートと聞いて最も多くの人が思い浮かべるのが、このイラストレーションではないでしょうか。書籍の挿絵、広告用のイラスト、ソーシャルゲームのキャラクター、Webサイトのビジュアルなど、幅広い分野で活用されています。
- 特徴: 比較的自由な表現が可能で、写実的なものからデフォルメされたものまで様々です。線画に色を塗るスタイルが多く見られます。
- 初心者向けのポイント: 比較的取り組みやすいジャンルの一つです。人物、動物、風景、静物など、自分の好きなモチーフから始めてみることができます。多くのペイントソフトがイラスト制作に適しています。
2. 漫画・アニメーション
漫画のデジタル作画や、アニメーション(動画)制作もデジタルアートの大きな分野です。
- 特徴: 漫画はコマ割りやフキダシ、集中線など特有の表現技法を用います。アニメーションは複数の静止画(セル画のようなもの)を連続表示させることで動きを表現します。どちらもデジタルツールを使うことで、修正や貼り付け、トーン処理などが効率化されます。
- 初心者向けのポイント: 漫画を描く場合は、漫画制作に特化したソフトを使うと、便利な機能が多く作業が進めやすいでしょう。アニメーションは、イラストレーションに比べて少し専門的な知識が必要になりますが、簡単なGIFアニメなどから試してみることも可能です。
3. CGイラスト(3D)
コンピューター上で3Dモデルを作成し、それに質感や照明を設定して描かれるのがCGイラストです。映画やゲームの背景、プロダクトデザインのイメージパースなどでよく見られます。
- 特徴: 立体的な表現が得意で、実写のようなリアルな表現からデフォルメされた表現まで可能です。数学的な知識やモデリングの技術が必要になる場合があります。
- 初心者向けのポイント: 専門の3DCGソフトを使用します。操作や概念がイラストソフトとは大きく異なるため、習得には少し時間がかかる可能性があります。無料のソフトから試してみるのがおすすめです。
4. ピクセルアート
ドット絵とも呼ばれるピクセルアートは、小さな正方形(ピクセル)を一つ一つ配置して絵を描くスタイルです。ゲームのキャラクターやアイコン、レトロな雰囲気のイラストなどに使われます。
- 特徴: 解像度が低いため、シンプルな表現になりますが、それが独特の味となります。色の数を制限することで、さらにレトロな雰囲気を出すこともあります。
- 初心者向けのポイント: シンプルな絵であれば比較的短時間で完成させることができます。基本的なペイントソフトでも制作可能ですが、ピクセルアート制作に特化した便利な機能を持つソフトもあります。
5. 抽象画・エフェクトアートなど
特定の形を持たない抽象的な表現や、光、炎、水などの特殊効果(エフェクト)をデジタルで描く分野もあります。
- 特徴: 既存の形にとらわれず、色や筆のタッチ、テクスチャなどを自由に組み合わせて感情や雰囲気を表現します。エフェクトアートは、ゲームや映像作品などで視覚的な効果を高めるために用いられます。
- 初心者向けのポイント: 画材の制約がないため、自由な発想で試しやすいかもしれません。様々なブラシツールや加工機能を試してみるのが良いでしょう。
どんな描き方から始めるのが良いか?
デジタルアートを始めるにあたって、「どの描き方から試すべきか」と悩むかもしれません。
もし、漠然と「絵を描きたい」と考えているのであれば、まずはイラストレーションから始めるのが最も一般的で取り組みやすいでしょう。多くのデジタルアート初心者向けの講座や情報がイラスト制作に関するものですし、使用するペイントソフトもイラスト用途を想定して作られています。
具体的な描きたいものが決まっている場合は、それに合った描き方を選ぶのが良いでしょう。例えば、「ゲームのようなドット絵を描きたい」ならピクセルアート、「立体的なメカを描きたい」ならCGイラスト、というようにです。
大切なのは「楽しむこと」
デジタルアートには様々な描き方がありますが、どれを選んでも素晴らしい表現が可能です。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは興味を持った描き方で、気軽に始めてみてください。
難しそうだと感じるかもしれませんが、デジタルツールを使えば、何度でもやり直しができますし、色々な表現を簡単に試すことができます。失敗を恐れずに、描くことを楽しむ気持ちが最も大切です。
デジタルアートの世界は広いです。色々な描き方を試しながら、ご自身に合ったスタイルを見つけていくのも楽しい道のりです。この記事が、あなたがデジタルアートの最初の一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。