【超初心者向け】デジタルアート:何を描けばいい?アイデア探しのヒント集
デジタルアートに興味を持ち、機材やソフトの準備ができたとしても、いざ白いキャンバスを目の前にすると、「何を描けばいいのだろう」と手が止まってしまうことがあります。これはデジタルアートを始めたばかりの方によくある悩みです。
この悩みは、決してあなただけのものではありません。描きたいものがすぐに思い浮かばなくても、それは自然なことです。大切なのは、完璧な絵を目指すのではなく、まずは「描いてみる」こと。そして、描くための「きっかけ」を見つけることです。
ここでは、デジタルアート超初心者の方が、絵を描くテーマを見つけるためのヒントや考え方をご紹介します。
なぜ「何を描けばいいか分からない」と感じるのでしょうか
デジタルアートを始めるにあたって、「何かすごいものを描かなければ」とか「人に見せられるレベルのものを描きたい」といった気持ちが先行してしまうと、アイデアが出てこなくなることがあります。まだ操作に慣れていない段階で、複雑なものや見たことのないものを描こうとすると、余計にハードルが高く感じられてしまいます。
また、普段から絵を描く習慣がない場合、どうやってアイデアを形にするのか、そのプロセスが分からないため、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。
このような時は、難しく考えすぎる必要はありません。まずは、描くこと自体を楽しむための小さな一歩から踏み出してみましょう。
アイデア探しのヒント集
「何を描けばいいか分からない」という状態から抜け出すために、いくつかのアイデア探しのヒントをご紹介します。どれか一つでもピンとくるものがあれば、ぜひ試してみてください。
1. 身の回りのものを描いてみる
特別な場所へ行かなくても、私たちの身の回りには描く対象がたくさんあります。
- 机の上にあるもの: ペン立て、コップ、ノート、パソコンなど、日常使い慣れたものを観察して描いてみましょう。形がシンプルで描きやすいものから選ぶのがおすすめです。
- 食べ物・飲み物: 今目の前にあるコーヒーや、これから食べようと思っているお菓子など。美味しそうな色や形は、描くモチベーションにもつながります。
- 植物: 観葉植物や窓の外に見える木など。葉っぱの形や重なり、枝の曲がり方など、じっくり見てみると面白い発見があります。
慣れてきたら、これらのものをいくつか組み合わせて描いてみるのも良い練習になります。
2. 好きなものを描いてみる
自分の好きなものや興味のあるものは、描いていても楽しいものです。
- 好きなキャラクター: アニメやゲーム、漫画のキャラクターを描いてみましょう。ただし、著作権には注意が必要です。個人的な練習や趣味の範囲で楽しむのが良いでしょう。
- 好きな動物: 犬や猫、あるいは空想の動物など、好きな動物を観察したり想像したりしながら描いてみましょう。
- 好きな風景: 旅行で行った場所や、近所のお気に入りの風景など。写真を見ながら描くのも良い方法です。
「好き」という気持ちは、描くことの大きな原動力になります。
3. 感情や抽象的なイメージを描いてみる
特定の「モノ」を描くのではなく、頭の中に浮かんだイメージや感情を色や形で表現してみる方法です。
- 「楽しい」「悲しい」「穏やか」といった感情: 特定の色(例: 楽しいなら明るい色、悲しいなら落ち着いた色)や、柔らかい線、硬い線など、抽象的な要素で表現を試みます。
- 「光」「音」「風」といった感覚: 目には見えないものを、自分なりの解釈で形や色にしてみましょう。
これは、形にとらわれずに自由に表現したいときに有効な方法です。
4. 写真を参考に描いてみる
自分で撮った写真や、フリー素材として公開されている写真などを参考に描いてみるのも良い方法です。
- 被写体の形や色を模写する: 写真をキャンバスの横に表示したり、キャンバス上に配置したりして、そのまま絵にする練習です。デッサンのような訓練になります。
- 写真の一部を抽出して描く: 写真全体ではなく、写っている物の一つだけ、あるいは特定の質感だけをピックアップして描いてみます。
- 写真の色使いを参考にする: 形は自分で考え、色の塗り方や光の当たり方を写真からヒントを得るという方法もあります。
ただし、インターネットで見つけた他の方の作品や、著作権のある写真などを無断で模写・公開することは避けましょう。あくまで個人の練習に留めてください。
5. テーマを決めて描いてみる
漠然と「何か絵を描こう」と考えるのではなく、「〇〇(テーマ)の絵を描こう」と具体的に決めることで、アイデアが絞りやすくなります。
- 「春の訪れ」「夏の思い出」「秋の味覚」「冬の風景」など、季節をテーマにする
- 「コーヒータイム」「読書の時間」「散歩道」など、日常のひとコマをテーマにする
- 「未来都市」「不思議な生き物」など、想像上の世界をテーマにする
テーマを決めることで、描く対象や色使い、全体の雰囲気を考えやすくなります。
6. 練習目的で描くものを決める
「アイデアがない」というよりは、「練習したいことがある」という視点で描くものを決める方法です。
- 「線の練習だから、まずはひたすら線を引いてみる」
- 「色の塗りの練習だから、簡単な丸や四角にグラデーションをつけてみる」
- 「レイヤーの使い方を覚えたいから、線と塗りを分けて描いてみる」
このように、特定の操作や機能を覚えることを目的に描くものを選ぶと、学習効率が上がります。練習用の簡単な図形や、既存のイラストを模写するのも良いでしょう。
描き始めるハードルを下げる考え方
アイデアが見つかったら、すぐに描き始める必要はありません。まずは小さなステップで絵にしてみることから始めましょう。
- ラフスケッチから始める: いきなり丁寧な線を描くのではなく、まずはザックリとした輪郭や構図を軽いタッチで描いてみましょう。デジタルソフトでは「レイヤー」を活用すると、このラフスケッチの上に清書をするのが簡単です。
- 色から決めてみる: 形を考える前に、使いたい色の組み合わせをいくつか決めてみるのも面白いアプローチです。
- 完成を目指さない: 描いている途中で「思っていたのと違う」と感じても、そこでやめてしまっても構いません。一つの絵を完成させることよりも、描くことに慣れる段階です。
焦らず、描くこと自体を楽しんでください
「何を描けばいいか分からない」という悩みは、描くことを始めたいという気持ちの表れです。ご紹介したヒントはあくまで一例であり、正解はありません。大切なのは、自分にとって描きたいと思える「きっかけ」を見つけ、まずはキャンバスに線を引いたり色を置いたりしてみることです。
最初のうちは、思い通りに描けなくても大丈夫です。デジタルアートは何度でも「元に戻す」ことができますし、描いたものを簡単に消すこともできます。失敗を恐れずに、自由に試してみてください。
描くことそのものが楽しくなってくると、自然と「次はこんなものを描いてみたい」というアイデアも湧いてくるはずです。焦らず、ご自身のペースでデジタルアートの世界を楽しんでください。