デジタルアートを無料で始める方法
デジタルアートに興味はあるけれど、何から始めて良いか分からない、費用がかかるのではないかと心配されているデジタルアート初心者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。高価な機材やソフトが必要だと思われがちですが、実は費用をかけずに、あるいは手持ちのものを活用してデジタルアートを始める方法は十分にあります。
この記事では、これからデジタルアートを始めたいと考えている方が、お金を気にせず最初の一歩を踏み出すための方法についてご紹介します。
まずは手持ちの機材を確認しましょう
デジタルアートを始めるために、必ずしも最新の高性能なパソコンや専門的なペンタブレットが必要なわけではありません。まずは、お手元にある機材を確認してみてください。
- パソコン(Windows、Macなど): すでにパソコンをお持ちであれば、そのまま活用できます。高性能でなくても、多くの無料ソフトは動作します。
- スマートフォン、タブレット(iPhone、Android、iPadなど): 近年では、スマートフォンやタブレットだけでも本格的なデジタルアート制作が可能になっています。指でも描けますが、対応しているスタイラスペン(タッチペン)があれば、より快適に描けるでしょう。
- 入力デバイス:
- マウス: パソコンで描く場合、最初はマウスでも描く練習は可能です。ただし、線を描くのは少し難しいかもしれません。
- ペンタブレット: ペンタブレットを使うと、紙に描くような感覚で線を引いたり、筆圧を感知して線の太さや濃さを調整したりできます。高価なものからエントリーモデルまで様々ですが、まずは必須ではありません。
- スタイラスペン: スマートフォンやタブレットで使うペンです。Apple Pencilのように特定の機種専用のものや、汎用的なものがあります。
このように、必ずしも新しいものを購入しなくても、今お手元にあるデバイスを活かしてデジタルアートの世界に触れることができます。
無料で使えるデジタルアートソフトを活用する
デジタルアートを描くには、絵を描くためのソフトウェア(アプリ)が必要です。高機能で有料のソフトもたくさんありますが、初心者の方が最初に使うのに十分な機能を持ち、無料で利用できるソフトも数多く存在します。
いくつか代表的な無料ソフトをご紹介します。
- Krita: パソコン(Windows、Mac、Linux)向けの無料ペイントソフトです。プロのイラストレーターも使用するほど高機能ながら、完全無料で利用できます。豊富なブラシやカスタマイズ性が魅力です。少し多機能ですが、慣れると非常に強力なツールになります。
- GIMP: 主に画像編集ソフトとして有名ですが、ペイント機能も備わっており、イラスト制作にも利用できます。パソコン(Windows、Mac、Linux)向けで無料です。Photoshopに似た操作感があるため、将来的に有料ソフトも検討したい方にとって良い練習になるかもしれません。
- ibisPaint X(アイビスペイント): スマートフォンやタブレット(iOS、Android)で非常に人気のある無料お絵かきアプリです。機能が豊富で、特にSNSとの連携機能が充実しています。多くのユーザーがいるため、使い方の情報を見つけやすいのも特徴です。一部機能は有料ですが、基本的な描画機能は無料で使えます。
- MediBang Paint(メディバンペイント): パソコン(Windows、Mac)やスマートフォン、タブレット(iOS、Android)など様々なデバイスで使える無料のペイントソフトです。クラウド連携機能があり、複数のデバイスで作品を管理しやすいのが特徴です。マンガ制作機能も充実しています。
これらの無料ソフトでも、デジタルアートの基本的な描き方を学ぶことができます。まずは気になるソフトをインストールして、実際に触ってみることから始めてみましょう。
まずは「描いてみる」ことから始めましょう
機材の準備やソフトのインストールができたら、さっそく描いてみましょう。
最初は難しいことを考える必要はありません。
- ソフトを起動し、新しいキャンバス(描く場所)を作成します。
- ペンツールを選び、線を引いてみましょう。
- ツールの設定で線の太さや色を変えてみましょう。
- 塗りつぶしツールで色を塗ってみましょう。
- レイヤーを使ってみましょう。レイヤーとは、透明なシートのようなもので、絵を構成する要素を分けて描くことができます。例えば、線画のレイヤーと色塗りのレイヤーを分けることで、線画を汚さずに色を塗ったり、後から簡単に修正したりできます。無料ソフトでもこのレイヤー機能は使うことができます。
- 消しゴムツールで消してみましょう。
最初は思うように描けないと感じるかもしれません。それは自然なことです。大切なのは、完璧を目指すのではなく、デジタルツールに慣れること、そして「描くこと自体を楽しむ」ことです。簡単な落書きでも、図形でも、好きなものを真似して描いてみることから始めてください。
費用を抑えながら次のステップへ進むには
無料ソフトや手持ちの機材でデジタルアートを続けてみて、「もっとこうしたい」「こんな機能が欲しい」と感じるようになったら、少しずつ機材やソフトを検討するのも良いでしょう。
- 安価なペンタブレット: 有名メーカーのエントリーモデルであれば、数千円から1万円程度で購入できるものもあります。筆圧感知機能などが備わっており、マウスで描くよりも格段に描きやすくなります。
- 中古の機材: フリマサイトや中古販売店で、状態の良い中古のペンタブレットやタブレットを見つけることで、費用を抑えることができます。
- 有料ソフトの体験版: 有料ソフトの多くは、一定期間無料で使える体験版を提供しています。興味のあるソフトがあれば、体験版で試してみて、自分に合っているかどうかを確認してから購入を検討すると無駄がありません。
ただし、これらはあくまで「もっと描きたい」と感じた時に考えれば良いステップです。まずは無料でできる範囲で、デジタルアートの世界を体験してみてください。
まとめ
デジタルアートを始めるにあたり、最初から高額な費用をかける必要はありません。お手持ちのパソコン、スマートフォン、タブレットと、無料で使えるペイントソフトを組み合わせることで、十分にデジタルアートを始めることができます。
大切なのは、難しく考えすぎず、まずは気軽に始めてみることです。線を引く、色を塗る、レイヤーを使ってみるなど、基本的な操作を楽しみながら慣れていくことで、きっとデジタルアートの楽しさを実感できるでしょう。
この記事が、あなたがデジタルアートへの最初の一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。