デジタルアートを始める前に知りたい!板タブ?液タブ?ペンタブレットの違いとは
これからデジタルアートを始めたいと考えている方にとって、どんな機材が必要なのかは大きな疑問の一つではないでしょうか。特に、パソコンと並んでデジタルでお絵描きをする上で欠かせないのが「ペンタブレット」です。
ペンタブレットには主に「板タブ」と「液タブ」と呼ばれる二つの種類があり、それぞれに特徴があります。初めてデジタルアートに挑戦する方の多くが、この二つの違いや、どちらを選べば良いのかで悩んでしまうようです。
この記事では、デジタルアート初心者の方に向けて、板タブと液タブの違いを分かりやすく解説し、それぞれのメリット・デメリット、そしてご自身に合ったペンタブレットを選ぶためのポイントをご紹介します。この記事を読めば、きっとあなたにぴったりの一台を見つける手助けになるはずです。
ペンタブレットとは?
まず、ペンタブレットとは何かを簡単にご説明します。ペンタブレットは、専用のペンを使って板状の読み取り面や画面に描くことで、その動きをパソコンに送るための入力装置です。まるで紙に鉛筆で描くように、パソコン上で線を描いたり色を塗ったりすることができます。マウスで絵を描くよりも、自然で直感的な操作が可能です。
板タブ(板型タブレット)の特徴
板タブは「板型タブレット」の略称で、液晶画面がついていない板状のペンタブレットです。
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どんなもの?
- 平らな板の上にペンで描きます。
- 描いている手元ではなく、パソコンの画面を見ながら作業します。
- パソコンとケーブルで接続して使用します。
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メリット
- 比較的安価: 液タブに比べて価格が手頃なモデルが多いです。初心者の方が試しに始めてみるのにハードルが低いでしょう。
- 場所を取らない: 薄くて軽いものが多く、デスク上のスペースを取りにくいです。
- 姿勢の自由度: パソコン画面を見ながら操作するため、自分が一番描きやすい姿勢で作業しやすいです。液タブのように画面に覆いかぶさるような姿勢になりにくいので、長時間作業しても疲れにくいと感じる方もいます。
- 耐久性: 画面がないため、傷や破損のリスクが液タブに比べて低い傾向があります。
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デメリット
- 慣れが必要: 手元ではなく画面を見て描くため、初めは思ったところに線が引けないなど、慣れるまでに少し練習が必要です。
- 直感性: 液タブに比べると、紙に描くような直感的な操作感は劣ります。
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こんな人におすすめ
- デジタルアートを始めてみたいけれど、あまり初期費用をかけたくない方。
- すでにパソコン作業に慣れていて、手元を見ずに画面を見ながらの操作に抵抗がない方。
- デスクスペースを広く使いたい方。
液タブ(液晶ペンタブレット)の特徴
液タブは「液晶ペンタブレット」の略称で、画面付きのペンタブレットです。
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どんなもの?
- タブレット自体に液晶画面がついており、その画面に直接ペンで描くことができます。
- パソコンとケーブルで接続して使用します。パソコンの画面を液タブの画面に表示させて作業するイメージです。
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メリット
- 直感的な操作: 画面に直接描くため、アナログで紙に描くのと同じような感覚で作業できます。手元を見ながら描けるため、初心者の方でも比較的スムーズに描き始められます。
- 表現のしやすさ: 細かい部分や複雑な線も、手元を見ながら描けるので意図通りに表現しやすいでしょう。
- 没入感: 画面に集中して描けるため、作品制作に没頭しやすいです。
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デメリット
- 高価: 板タブに比べて価格が高いモデルが多いです。エントリーモデルでも板タブよりは費用がかかる傾向があります。
- 場所を取る: 画面サイズによっては、ある程度の設置スペースが必要になります。
- 熱を持つことがある: 長時間使用していると、本体が熱を持つことがあります。
- 視差: ペン先と実際に線が描かれる位置にわずかなずれ(視差)が生じることがありますが、最近のモデルでは改善されています。
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こんな人におすすめ
- アナログで絵を描くことに慣れており、その感覚に近い状態でデジタルアートを始めたい方。
- 初期費用がある程度かかっても、より直感的で快適な描き心地を重視したい方。
- 手元を見ながらでないと描きにくいと感じる方。
初心者には結局どちらが良い?選び方のポイント
板タブと液タブ、それぞれにメリット・デメリットがあるため、「初心者だから絶対にこちらが良い」と断言することは難しいです。どちらを選ぶかは、ご自身の状況や予算、何を重視するかによって変わってきます。
選び方のポイントをいくつかご紹介します。
- 予算: 初期費用を抑えたいのであれば、板タブの方が手頃な価格帯の製品が豊富です。数千円から数万円程度で購入できるモデルが多くあります。一方、液タブは安くても数万円、高価なものだと十万円以上かかることもあります。
- 描き心地の好み: 紙に描く感覚に近い直感性を重視するなら液タブが良いでしょう。手元を見ずに描く練習から始められる、あるいはあまり手元を見ないことに抵抗がないなら板タブでも十分です。
- 作業スペース: デスク上のスペースが限られている場合は、コンパクトな板タブの方が設置しやすいかもしれません。液タブは画面サイズによって必要なスペースが大きく異なります。
- 試してみる: もし可能であれば、家電量販店などで実際に板タブや液タブに触れて、描き心地を試してみるのが一番良い方法です。
多くの方が最初に板タブから始めてみて、デジタルアートに慣れてきたら液タブにステップアップするという流れを選ぶこともあります。もちろん、最初から液タブを選んでデジタルアートを始める方もたくさんいらっしゃいます。
まとめ
デジタルアートを始める上で、ペンタブレットはあなたの表現を大きく広げてくれる大切なツールです。板タブと液タブにはそれぞれ異なる特徴があり、どちらにもメリットがあります。
- 板タブ: 安価で手軽に始められるが、慣れが必要。
- 液タブ: 直感的に描けるが、価格が高め。
ご自身の予算や描くことに対する慣れ、作業環境などを考慮して、自分に合ったペンタブレットを選んでみてください。高価なものを選ばなくても、まずは手頃な板タブでデジタルアートの世界に触れてみるのも素晴らしい第一歩です。
どんなペンタブレットを選んだとしても、大切なのは「描きたい」という気持ちです。あなたにぴったりの相棒を見つけて、楽しいデジタルアートライフを始めてください。