【超初心者向け】デジタルアートで絵にサッと色を塗る！バケツと投げ縄の使い方
デジタルアートに挑戦している初心者の方にとって、線画が完成した後の「色塗り」は楽しみでもあり、少し難しく感じるステップかもしれません。どうすればきれいに、そして効率的に色を塗ることができるのだろう、と疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
デジタルアートソフトには、色塗りを助けてくれる便利なツールがいくつか用意されています。この記事では、その中でも特に初心者の方が「サッと」色を塗るのに役立つ「バケツツール（塗りつぶし）」と「投げ縄ツール（選択範囲塗りつぶし）」の基本的な使い方と、それぞれの特徴、使い分けのポイントについてご紹介します。
これらのツールを理解することで、線画に色を乗せる作業がぐっと楽になり、作品を完成させる楽しみが増えるはずです。
バケツツール（塗りつぶし）とは
多くのデジタルアートソフトには、「バケツツール」や「塗りつぶしツール」と呼ばれる機能があります。これは、閉じた線で囲まれた領域をクリックひとつで指定した色で一気に塗りつぶすことができるツールです。
- 特徴:
- 広い面積を素早く塗りつぶすのに向いています。
- シンプルな形状や、しっかりと線が閉じられている部分の色塗りに便利です。
バケツツールの基本的な使い方
- ソフトのツールバーからバケツツール（バケツのマークや、ペンキがこぼれているようなマーク）を選択します。
- パレットなどから、塗りつぶしたい色を選びます。
- 色を塗りたい領域（線で囲まれた部分）の中でクリックします。
これで、クリックした場所が選択した色で塗りつぶされます。
バケツツールでうまく塗れない場合のチェックポイント
バケツツールは便利な反面、線画の状態によっては期待通りに塗れないことがあります。
- 線に隙間がある: 塗りつぶしたい領域の線が完全に閉じていないと、色が外に漏れてしまい、画面全体が塗りつぶされてしまうことがあります。線画の隙間をしっかりと閉じてみてください。
- 線からはみ出してしまう: 設定によっては、線の外側まで色がわずかにはみ出してしまうことがあります。ツールの設定項目に「許容値」「拡張」などの項目がある場合、その数値を調整することで改善されることがあります。
- 細い線の場合: 線が非常に細い場合、隙間と認識されやすかったり、意図しない部分まで塗られたりすることがあります。線画を調整するか、別の塗り方を検討するのが良いでしょう。
- 参照レイヤーの設定: 線画と色塗りのレイヤーを分けている場合、バケツツールが「どのレイヤーの線を参照して塗りつぶすか」という設定が重要になります。多くのソフトで「参照レイヤー」や「全てのレイヤーを参照」といった設定が可能ですので、線画レイヤーを参照するように設定してみてください。
投げ縄ツール（選択範囲塗りつぶし）とは
「投げ縄ツール」や「選択範囲ツール」と呼ばれるツールも、色塗りに役立ちます。これは、自分で描いた自由な線や形状で範囲を指定し、その指定した範囲内だけを塗りつぶすことができるツールです。
- 特徴:
- 線が閉じていない部分や、部分的に色を変えたい場合に便利です。
- 複雑な形状や、グラデーションの一部を塗りたい場合など、バケツツールでは難しい細かい作業に向いています。
投げ縄ツールには、フリーハンドで線を描くタイプ、直線で多角形を作るタイプ、楕円形や長方形に選択するタイプなど、いくつかの種類があることが多いです。
投げ縄ツールの基本的な使い方
- ソフトのツールバーから投げ縄ツール（投げ縄のマークや、点線の枠のようなマーク）を選択します。
- 塗りつぶしたい範囲を囲むように線を描きます。線が閉じると、点線で囲まれた「選択範囲」ができます。
- パレットなどから、塗りつぶしたい色を選びます。
- 選択範囲ができている状態で、その範囲内を塗りつぶします。塗りつぶしの方法はソフトによって異なりますが、多くの場合、別の「塗りつぶし」コマンドを使うか、キーボードショートカット（例：Alt+DeleteキーやCtrl+Deleteキー）で描画色や背景色で塗りつぶすことができます。ブラシツールで選択範囲内を塗ることも可能です。
- 塗りつぶしが終わったら、選択範囲を解除します。メニューから「選択解除」を選ぶか、ショートカットキー（例：Ctrl+DキーやCmd+Dキー）を使います。
バケツツールと投げ縄ツールの使い分け
どちらのツールも色塗りには便利ですが、それぞれ得意な場面が異なります。
- バケツツールは、
- キャラクターの服や髪、背景の空など、線がしっかりと閉じている大きな面や、シンプルな部分を素早く塗りたいときに適しています。
- まずは全体の色分けをざっくりと行いたい場合にも役立ちます。
- 投げ縄ツールは、
- キャラクターの肌の影、複雑な形をした小物、線が閉じていない部分の色塗り、部分的な色の修正など、細かい範囲や自由な形で塗り分けたいときに適しています。
- 特定のパーツだけを選んで別の色に塗り直したい場合にも便利です。
描く絵や、ご自身の描く線の癖によって、どちらのツールが使いやすいかは変わってきます。最初は両方試してみて、ご自身が塗りやすい方法を見つけるのが良いでしょう。
まとめ
デジタルアートの色塗りには、さまざまな方法がありますが、今回ご紹介したバケツツールと投げ縄ツールは、初心者の方が最初に触れるツールとして非常に有効です。
バケツツールで大まかな色分けをし、投げ縄ツールで細かい部分を塗り分けたり修正したりと、組み合わせて使うこともできます。
初めてデジタルで色を塗る際は、きれいに塗れなかったり、思い通りにならなかったりすることもあるかもしれません。しかし、これらのツールの使い方を少しずつ覚えていくことで、色塗りの作業がきっと楽しくなるはずです。
まずは、簡単な線画を用意して、バケツツールや投げ縄ツールを実際に使ってみてください。実際に触ってみることで、ツールの特性や使い方がより深く理解できるようになります。デジタルアートの色塗りの一歩として、ぜひ挑戦してみてください。